観光DMOとは
- Kita no Michi 北海道 ドローン撮影
- 2023年12月6日
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〇DMOとは、「Destination Management/Marketing Organization」の略で、官民の幅広い連携によって観光地域づくりを推進する法人を指します。観光地域としての魅力を高めるためにさまざまな組織が一体となり、マーケティング・マネジメントやブランディング、商品造成、プロモーションなどを行い、観光客を誘致することで、地域経済の活性化を図ることがDMOの主な目的です。
〇DMOは欧米の観光先進国を中心に発展してきましたが、2007年に世界観光機関「UNWTO」がその枠組みを定義したことで世界的に認知されるようになりました。
一方、日本では2015年に「日本版DMO 候補法人登録制度」が創設されたことがその始まりです。
〇日本は現在、人口減少や少子高齢化といった課題に直面しており、「地方創生」が重要なキーワードとなっています。地方創生とは、首都圏への人口集中を是正し、地方への人口流入を増やすことで地域の活性化を図ることです。その地方創生の切り札とも言われているのがDMOなのです。これまでは各分野や産業が個別に行ってきた観光振興を、DMOが一元的に担うことで、インバウンドを中心とした観光客を地方に誘致し、交流人口を増やして地域の「稼ぐ力」を引き出す。それが地域の活性化につながり、ひいては地域を訪れた観光客の定住を促進していくことも重要な役割となります。この目標を実現させるためには、観光に関する各種データを継続的に収集・分析し、科学的な根拠に基づく明確なコンセプトのもと戦略を立てることが重要です。
なお、DMC(Destination Management Company)と呼ばれる組織も存在しますが、DMOが地域に観光客を誘致する法人であるのに対し、DMCは地域を訪れる観光客に対して実際に旅行商品を販売する法人を指します。
〇日本版DMOは、[1]広域連携DMO(複数の都道府県にまたがる区域)、[2]地域連携DMO(複数の地方公共団体にまたがる区域)、[3]地域DMO(単独市町村の区域)の3区分に分類されており、現在は「日本版DMO」が123件、「日本版DMO候補法人」が114件、計237件が登録されています。また、政府は2020年までに世界水準のDMOを全国で100件程度までに増やすことを目標に掲げており、その基準を定めるための検討会を実施しています。
では、実際に日本版DMOに登録されるためにはどんな条件が必要なのでしょうか?観光庁では日本版DMOの登録要件として、以下5つの項目を掲げています。
[1]観光地域づくりにおいて、多様な関係者の合意形成ができること。
[2]データの継続的な収集・分析を行い、そのデータに基づく明確なコンセプトのもと戦略(ブランディング)を策定し、KPIの設定やPDCAサイクルを確立すること。
[3]観光事業と戦略とをマッチさせる仕組みを作り、プロモーションを実施すること。
[4]法人格を取得し、意思決定の仕組みが構築されていること。専門人材が存在すること。
[5]安定的な運営資金が確保される見通しがあること。
先ほど3つの区分について触れましたが、広域連携DMOと、地域連携DMOを形成する際は、地域間で共通のコンセプトがあれば、必ずしも地域同士が隣接している必要はないという点も押さえておきましょう。
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