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銅版画家・小池暢子の世界~絵画集全500作品のうち90作品~

  • 執筆者の写真: Kita no Michi 北海道 ドローン撮影
    Kita no Michi 北海道 ドローン撮影
  • 2024年7月19日
  • 読了時間: 4分

更新日:2024年7月21日

<序>

■高知市に生まれ、戦時中の4歳で士別に移住してきました。

初めて雪を見たとき、「お母様、お空からお砂糖が降っています!」とザルを持ってはしゃいだ麗しい思い出もあります。東京の美大で学び、東京五輪で国立競技場のモザイクアート制作に関わったことで、岡本太郎さんとの交流が始まりました。「日本を、自分を知るために、海外に出てみるといい」と岡本さんに勧められヨーロッパへと向かいました。35歳の時でした。1年間をローマで過ごし、14年間をパリで銅版画の制作しました。デッサンを鍛え上げた時期でした。

その中で、パリで確立した技法があります。一つの版にすべての色を乗せて刷り上げる独特なもので、繊細なエッチングの跡と意図せず交じり合うインクが微妙なニュアンスを生み出します。アラプペ技法といいます。

1985年に士別に戻り、ギャラリー「絵音(えね)の館」をオープンさせました。

絵を描く以外の仕事を考えたことすらありません。それが私の全てです。


<起>

■北海道最北端最終の開拓屯田兵移住地として兵舎100戸が入地してから、このマチは数々の発展を遂げてきました。郷土研究会の資料を見ておりますと、エピソードに事を欠きません。

時代の節目・節目に多くの出来事が起こります。そして今も、地域を「興す」は過ぎ去り、地域の存続が危ぶまれてもいます。

このまちには、とりたてて後世に伝える文化や、屯田兵舎一戸以外に歴史的建造物もなく、「耕」を中心にささやかに栄えた田園の小都市であります。

しかし、激動の今世紀末には離農者が増え、若者が徐々に姿を消し、高齢者と農地が置き去られてきました。

そんな一方で、全道のローカル地域に近年変化が現れてきたのも感じます。

写真や漫画、音楽、陶芸等々の広義的な意味での文化の香りを漂わす、まちづくりのことです。海外へは「Cool!JAPAN」として、官民一体となった政策が推進されています。

さて、このまちの未来はどうなるのでしょうか。新しい街の息吹も感じ始めます。

ですが、当地方は冬が長く、厳しい自然環境なのです。そうした地域ですから、ここから生まれてくるものには一段と暖かさや優しさが秘められていると感じるのです。

大らかで、ゆったりと、シンプルな環境の中で暮らしていることに自負を持っております。素直に自然と向き合う。そこに、高質で密度性のある「文化のまち興し」ができる土壌があると私は思っているのです。


■しべつアーティスト・イン・レジデンス事業を開催して

この事業では、士別の春夏秋冬をテーマにしました。初回は冬、その次は秋にしました。初回では、日本版画協会を通して参加を呼び掛け、銅版画家の2人は一番寒い2月に来ることになりました。「豪雪地帯を訪れるのは初めてで冬靴も持っていない」というお二人を、

市内のあちこちを連れて回りましたが、市内は雪に埋まり一面真っ白。

銅版画は白黒の作品が一般的で、出来上がった作品はどれも白っぽいものでした。

でもそれが冬が半年間続く士別らしさなのでです。


私は、自分が感想を聞かれることが好きではないので、意識して聞いてもおりませんが、数字でも文字でも表せない繊細な心を表現するのがアートなのです。

士別の印象が良くても悪くても、何か感じてもらえたら成功。

私もローマやパリで過ごした約15年間に受けた刺激が、今の作品に生きています。

ですから、若い芸術家には強い刺激をたくさん受け、新しい文化を生む力にしてほしいと考えています。士別での感動や驚きが、芸術家の今後の作品に出てくることも考えられますでしょう。

私たち芸術家には、自身の心を表現することで、生きている実感が得られます。

芸術家は心の表現のために生きている人たちです。

体験教室などで芸術家とふれあい、一般の人にも芸術が身近になってほしいです。

絵でも詩でも音楽でも、他人に見せなくても自己表現の手段がある方が人生は豊かになりますでしょう。


■作品紹介

 私の銅版画は、1つの版に多色のインクを用いて刷る「アラプペ」とよばれる技法です。

 

②芸術(小池暢子さん⇒剣淵町とのつながり⇒美術物語)ほぼ完、



小池暢子『遠くに行かないで』 - 旭川市のギャラリー・シーズ【作品名】遠くに行かないで 【技 法】1版多色刷り銅 […]www.g-shes.com


独立行政法人国立美術館・所蔵作品検索search.artmuseums.go.jp



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