アイディアブック
(起)地域には、多くの人がそこで生活をしている。
それは、あまり俯瞰することはできないのだけれども、
確かなカタチを生み出している。
(承)そのカタチを支えている地域の人がおり、
地域の産業は形成され、その成り立つが地域の文化を生み出している。
その地域の文化に厚みをつくるのが、私たちの使命でもある。
(転)地域のカタチを多くのアイディアで、
地域の人や地域に訪れた人にどれだけの価値を伝えるかは、
関わる人の総意とものづくりの数量と、
そして、地域の特性を発揮させる場が必要になる。
(結)つまりは、視覚的な要素が入口とするなら、
出口は、個々の美学と情感によって支えられている
物欲を刺激する「食品や工芸」や親しみを感じる「書籍や制作物」になる。
いかにして、その地域は愛されていくのだろうか。
素材
感情のこもった付加価値を創り出し、コミュニケーションを楽しみながら問題を解決すること。
視覚的な要素がポジティブな感覚を呼び起こすのに最も重要な要因の一つであること。
何のためにつくるのか。それをつくることでどう変わるのか。本当はどうあるべきなのか。
商品の個性や価値と照らし合わせながら、どうやったら面白いものになるか試行錯誤する。
バリエーション
明解な目的、到達点を設定し、それを達成するための手段として、デザインのバリエーションは存在するものだと考えている。
無目的なパワーが、理屈を破壊的に凌駕する場合も多々あるから。
コンセプトを表現するための最も簡潔な方法探求を要求される小さな絵。
自分自身の美学と情感によって支えられている。
装飾を削ぎ落したような「センス」を愛し、そのような「センス」を探し、シンプルなグラフィック表現を求めていく。


かたち
目的や媒体、数量、流通形態、場所などのさまざまな状況によって、さまざまなかたちに組みあがる。
グラフィックイメージや言語情報よりも、形態や物質感の方が情報伝達に有効な場合もある。
既存の技術と素材の組み合わせで視覚的な効果をつくる。
インスピレーション
アイデアや表現は仕事の内容によって変わるが、
いつも最初のオリエンテーションで受けた印象や
感じたことを一番大切にしている。
今までになかった何かを探し、それをやる意味、好きか楽しいか。また最後まで自分で向き合っていける内容の仕事であるかを考えてデザインをする。
小さな絵をつくること
人は、目に見えるものを信じる生き物だ。
だからこそ、視覚的な要素は重要になる。
そのための第一歩は、
小さな絵づくりを始めていくことなのだと思う。
1年は12か月で365日と相場があるように、
地域にも、その産業にも相場がある。
その地域の文化に紐づけられた
小さな要素を視覚化された小さな絵によって、
その個性が磨かれていく。
いま、地域にある個性には、
「特産品や名産品」のほかに、
「羊のまち」や「合宿のまち」がある。
そこが私たちの出発点となり、
目的地には、多くの人が「そうだね」となるような
感性に問うまちづくりをしていくことだと思うのである。