【特集】北海道総合開発計画との接点
- Kita no Michi 北海道 ドローン撮影
- 2024年7月19日
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北海道総合開発計画について
北海道総合開発計画は、北海道開発法に基づき、北海道の資源・特性を活かして我が国が直面する課題の解決に貢献するとともに、地域の活力ある発展を図るため、国が策定する計画です。 国土交通省が立案し、国土審議会北海道開発分科会の審議を経て閣議決定します。なお、関係地方公共団体は、開発計画に関し、内閣に対して意見の申し出が可能です。 【第9期北海道総合開発計画について】NEW!! 令和6年3月12日「第9期北海道総合開発計画」が閣議決定されました。 (参考:第8期までの計画はこちら)
1.北海道開発法
※ 北海道開発法(昭和25年法律第126号) 北海道の豊富な資源や広大な国土を利用し国全体の安定と発展に寄与することを目的として制定されております。
2.推進体制
北海道局・北海道開発局という推進体制のもと、地域の実情に即し効果的に事業を実施しています。 (北海道局) ・北海道の開発に関する総合的な政策の企画・立案・推進 ・北海道開発予算の一括計上 等 (北海道開発局<北海道開発局・開発建設部【10】>) ・北海道総合開発計画の調査・調整・推進 ・直轄公共事業(河川・道路・港湾・空港・漁港・農業等)の実施 ・公共事業に関する補助金交付、都市・住宅行政、建設業等の指導監督 等 北海道総合開発計画の効果的な推進を図るため、北海道特定特別総合開発事業推進費による公共事業の機動的な調整や、北海道の課題解決に向けた北海道開発計画調査等を実施しています。
▶「共創」をテーマに話をしてきた。農業と福祉の連携、農業と観光の連携、官民連携など様々な連携が 共創につながる。消費するだけでなく、一歩でも生産に関わるという視点も重要。消費者のことを共同生 産者という言い方もあり、いかに主体的に関わるかという視点が重要である。 北海道に何かしてもらうのではなく、北海道に自分が何ができるかを考えていきたい。
▶北海道は、エネルギー供給に占める化石燃料の割合が8割を超え、1世帯あたりの消費エネルギー量は全国に比べて1.6倍大きい。再生可能エネルギーを有効に活用して化石エネルギーを減らしていくことが必要である。北海道は風力発電にも恵まれているが、電力をそのまま本州に運ぶだけではなく、道内の産業 や生産現場で活用するとともに水素や半導体を作るなど、出来上がった付加価値の高いものを本州に送る ことが重要。 生産空間の維持に向けては、道内のデジタル人材の育成・確保が極めて重要である。女性やシニア世代 の活躍推進や外国人人材の受入拡大、それらに資するリスキリング、リカレントといった教育機会の提供 なども拡充する必要がある。学校や自治体まかせではなく、企業や社会が関与しながら、地域を愛する子 どもたちを育てていくことが重要である。 70数年間「ポテンシャルを活かす」と言い続けてきている北海道であるが、そろそろこのポテンシャル を活かしきりたい。
▶定住環境、とりわけ生産空間を維持するためには、店舗網や物流の維持が重要な要素。セコマは過疎地 域における店舗維持に取り組んできた。物流網を人間の体に置き換えると、物流センターは心臓、血管は トラック配送、臓器は店舗にあたる。物流の2024年問題は、毛細血管に血液が行き渡らなくなるようなこ と。様々なものが地方に届かなくなり、地域の存在の崩壊を早めてしまうことを心配している。物流の効 率的な運行体制の確立が急務であり、高規格道路網の整備や積載効率の向上など官民連携した取組が一層 重要になる。 災害対応として民間ができることは、①行政や自治体と連携すること、②非常用電源などちょっとした 備えをしておくこと、③危険度をチェックの上できるだけ営業すること、④「備え」になる企業間協力を することである。
官主導で物流のプラットフォームを作ってほしい。北海道はトラックだけでは物流できない。陸・海・ 空を連携して物流効率を高めないといけない。食も観光も北海道が優勢になるようにしていきたい。
▶HTO(北海道観光振興機構)は、ハワイを超えることをビジョンとしている。2019年はハワイへの訪問者 数が1000万人であったのに対して、北海道は836万人だった。ハワイを超えるには、観光の高付加価値化を することで単価を上げる必要がある。 そのために、ワインツーリズム、ケアツーリズム、ナイトタイム・ エコノミーの3つの方針を掲げている。 北海道の魅力がどれくらい世界に認められているのかを一番理解していないのは、私たち北海道に住んでいる人なのではないか。世界から見られた目線を活かしていくべきではないか。北海道179市町村の中で 何もないところなどなくて、絶対それぞれに魅力がたくさんあるはず。こういった魅力を見出していくの も観光の力である。地域の方が地域の良さを理解することが地域循環にもつながっていく。その効果を道 内の隅々まで行き渡らせ、周遊観光の促進をしっかり進めていくことが使命だと感じている。 HOKKAIDO LOVE!が、我々のシビックプライド(地域への誇りと愛着)。地域に対する愛と希望があれば、 2050年の北海道の将来像がしっかりと描けていくのではないか。
▶北海道の食はブランドイメージが確立されておりすごくプラスなイメージだが、北海道の農業はネガ ティブな報道などもあり良く思われていない。農業が今すごくイケていて、おしゃれに変わってきていて、 みんなが欲しがるものを生産している。ちゃんと稼げるんだと言っていかないと、次世代につながってい かない。私が15年間やらせていただいている「あぐり王国北海道NEXT」(HBC)という番組では、農家さん、 農業従事者の方が、どんな思いで農作物を作っているのかということを紹介している。食べる人が、作る 人、育てる人への感謝、応援を一緒に発信していただきたい。我々北海道民がしっかりと中心となって、 農業を応援していきたい。これからの未来を勝ち抜くために、子どもたちに北海道の農業のプラスイメー ジをしっかりと伝えていきたい。 HOKKAIDO LOVE!北海道の愛をもっと一緒に育てていきましょう。
▶第9期計画では、我が国を取り巻く状況と北海道の資源・特性を鑑みて、2050年の北 海道の将来像と目標を明確にした上で、2024年度から、おおむね10年間に取り組むべき 施策を取りまとめた。2050年の北海道の将来像を支える北海道型地域構造は、デジタルの実装により、地方 部の定住、交流環境が維持されることによって、形成されていかなくてはならない。 第9期計画に込められたメッセージとその意義は、①「二重の疎」だが「恵まれた 疎」でもある北海道のポテンシャルを活かしきり、我が国の経済社会づくりを先導すべ きではないか。②第9期計画の10年間は、2050年の北海道の将来像実現に向けた『絶好のチャンス』・『ラストチャンス』と捉えるべきではないか。③リアルとデジタルのハイブリッドによる未来を築き上 げるには、官民の垣根を越えた『共創』が不可欠ではないか。④これまでと同様の取組、推進体制ではスピード感や統 一感に欠け、課題解決に繋がらないのではないか。という4つの視点で位置付けられる。 第9期計画の推進にあたっては、(1)現場(地域)のファクトを大切にしているか、(2)現場(地域)に専念できる責 任者を置いたか、(3)取組は、経済的に回る仕組みとなっているか、(4)多様性のもと知見・技術を結集し、技術革新を 目指しているか、(5)若者に魅力ある施策(仕事)となっているか、(6)「共創」と「競争」になっているか、を考慮し て国及び地域の皆様に進めていただけないか。 2050年の北海道の将来像を実現していくためには、絶好のチャンスを活かしながら、各主体が将来像と目標を共有し て、共創で取り組んでいくことが求められているし、開発してもらうという気持ちではなく、開発するんだという気概 を持って臨むべき。我々道産子、フロンティア精神を再発揮して、さまざまな課題に前向きに取り組んでいこうではな いか。
時間距離を縮めるネットワーク の強化と、
物理的距離を超越させるデジタル技術活用の視点が欠かせない。
北海道開発の結果、1869 年に約5万8千人だった人口は、500 万人余りに達し、道内 総生産は約 20 兆円になるなど、北海道は、食料の供給や観光・保養の主要な拠点とし て、我が国全体の安定と発展に大きく寄与する地域となっている。




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